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クインエッセンス アロマ便り
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オイルのプロフィール *モミ* 〜2006年10月号より |
<Silver Fir -- 学名:Abies alba>
マツ科に属するAbeis albaは、ヨーロッパモミ、ホワイトモミとして知られる。 左右対称で背の高いピラミッド型の木で、45〜50メートルの高さまで伸びることもある。直径2メートルまで達する垂直な幹は、なめらかで樹脂を含み、水平に広がる枝は先端が上方にカーブしている。平たい針状の葉はダークグリーンで裏側に白い線があり、下から見上げるとシルバーに見える。このために一般的にSilver
Firと呼ばれる。
冬芽は緑色で丸い形だが、成熟すると茶色の円錐型に変わる。 |
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<分布>
ヨーロッパモミ(Silver Fir)はヨーロッパ原生で、アルプス南部に広く生育している。ライン地方(ドイツ西部)やアペニン山脈(イタリア)、ピレネー山脈(フランスとスペインの国境)にも多い。実際この木はヨーロッパの南部と中部の山岳地帯のほとんどの地域に広がっている。しかし北部には少ない。ロシアではコーカサス、ウラル山脈、アルタイ山脈の一部に、またアメリカ北部、中部にも見られる。
<伝統的な利用法>
他の多くのマツ科の植物と同様、この木の全部分が薬品に使われ、健康増進に活用されている。冬芽は抗細菌、防腐、鎮痛効果、樹皮は防腐、収斂効果がある。葉は去痰、鎮静効果があり、樹脂は防腐、鎮痛、利尿、消化正常化、去痰、血管収縮、瘢痕形成効果があるといわれている。
ヨーロッパでは数百年にわたり、針葉と小枝から抽出されるエッセンシャルオイルが、熱や関節炎、リウマチ、筋肉痛、呼吸器系トラブルに用いられてきた。このオイルは万能薬のように、鎮痛、防腐、収斂、消化不良、デオドラント、利尿、去痰、免疫強化、皮膚などの赤み、刺激、強壮、血管収縮、瘢痕形成の作用があるといわれる。
<収穫と抽出>
雪のために運搬が難しい地域を除き、一年中収穫されている。抽出釜にできるだけきっちり詰め込めるよう、蒸留の前に小枝は細かく砕かれる。モミのエッセンシャルオイルは、1900年代初頭にロシア全域の小さな村で大量に作られていた。
エッセンシャルオイルは針葉と小枝から水蒸気蒸留法で抽出され、採取率は0.25%〜0.35%。無色か淡黄色のオイルが作られる。オイルは甘みがかったウッディな香りで、新鮮な針葉の香りがする。フランスではアブソリュートも作られている。
<アロマセラピーでの使用>
よく似たパインニードル(マツ)と同様、多くの効用にもかかわらず、モミの精油はアロマセラピーの世界ではあまりポピュラーではないようだ。しかし強力な抗菌効果は風邪やインフルエンザの季節に役に立ち、感染を予防するのと同時にのどのつまりも緩和する。
皮膚の赤みを緩和する効果と利尿効果は、筋肉痛や関節炎、リウマチ、体液循環の低下、セリュライトなどのマッサージに使うのに理想的な組合せでもある。モミのマイルドな鎮痛作用は関節痛や筋肉痛を緩和し、同時に身体全体を強壮する。
強壮作用は、落ち込みやネガティブな気分、悲しみ、ストレス、神経の衰弱を緩らげ、感情を明るく引き上げるのを助けてくれる。全体として、力をつけ、落ち着かせてくれるオイルといえる。室内に芳香を漂わせると、人によって感じ方はあるだろうが、コニファーの森を散歩しているような香りを感じ、気持ちが明るくなってリフレッシュされる。
ブレンドすると、モミの精油は何といっしょでもフレッシュでグリーンなノートを加える。特にブレンドにあう精油は、サイプレス、シダー、ラベンダー、レモングラス、スイートマジョラム、ペパーミント、ローズマリー、サンダルウッド、スペアミント、柑橘系。
Written by Geoff Lyth
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<ご注意>
アロマセラピーは、医療・治療行為ではありません。
クインエッセンス・ニューズレターに記載される記事は教育・研究目的のものです。精油などのご使用については、自己管理に基づいて行われるようご注意ください。 |
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