ブレスイーズ青山 アロマセラピー資料館 * フランキンセンス *


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クインエッセンス アロマ便り


オイルのプロフィール「フランキンセンス」  〜2007年12月号より〜

   == Frankincense (Boswellia carteri) ==

聖書にしるされた有名な話・・・神の子イエス様がお生まれになった時に東方の3賢者がお祝いに捧げた3つの品、それが金とフランキンセンスとミルラです。当時はフランキンセンスとミルラが金に並ぶ貴重品だったのです。

フランキンセンスの原料となるBoswelliaの木は、ソマリア、イエメン、オマーンといったごく限られた地域にしかありませんでした。この香辛料の取引が小さな地域をベースに行われていたのに対し、需要は生産量をはるかに超え、儲けの大きな商品市場となっていました。

当時はアラビアが香辛料取引のルートでした。このルートにのって、中国からのシルクや紙、インドからの虎やルビーや黒檀とともに、香料やハーブが取引されていたのです。ここでは巨大な貿易会社がつくられ、カルダモン、コリアンダー、シナモン、ナツメグなどの香料が売り買いされて運ばれていました。
 フランキンセンス イエス様誕生
 
Copyright: c 1997-2006 Quinessence Aromatherapy Ltd





しかしこの地域に最も利益をもたらしたのは、多くの宗教で儀式用のお香の材料として多用されたフランキンセンスでした。 この利益は莫大だったため、ペルシャのダリウス王がアラブ人に十分の一を税としてアラブ人に課したほどでした。

<植物の概要>

カンラン科のBostellia careteriは、3〜5メーターの高さになる低木ですが、この木は中央の木幹がとても短くねじれており、地面のすぐ上から枝が伸びるという、いくぶん奇妙ながら魅力的な形体をしています。 枝の先端部に左右にのこぎり状の葉を広げ、中心部が薄黄色の薄いピンクか白い花をつけます。 精油の元となる樹脂は、頑強な枝の樹皮の中に垂直に分布しています。

ソマリアの海岸地域では、荒れた大理石のような岩に広がって生育しています。若い木から最も価値のある樹液が採取されます。

<収穫と抽出>

樹脂を採取するために、木の皮に縦の切り込みを入れ、その下10センチほど樹皮をはがします。1ヶ月後、そのまた1ケ月後に最初の切り込みと同じ場所に、さらに深い切り込みを入れます。こうすると、白いミルクのような乳状の樹液が滲み出し、やがて黄色みがかった滴状に固まります。

これらはアロマ産業では「フランキンセンスの涙」「乳香の涙」と呼ばれるものです。3ミリ〜2.5センチほどの直径の樹液の固まりが、地面や樹皮からはぎとられます。収穫は6月から9月中旬のモンスーンの時期をのぞいて1年中行われています。

この含油樹脂の成分が、水蒸気蒸留法で抽出されます。わずかですが、アブソリュートも香水用に作られています。

<生産地>

エッセンシャルオイルは主に、北東アフリカ、アラビア湾岸、中国、エチオピア、インド、ソマリアで生産されています。 インドと中国産のものは価格が安いためアロマセラピー市場に供給されますが、ソマリア、イエメン、オマーン産と比べて質が劣ります。

今年(2009年)はソマリアの国内情勢不安が高まったため、質の良いエッセンシャルオイルを手に入れることが困難になりました。このため他の地域のものが増え、価格も上昇しています。低価格の劣悪品には注意しましょう。
 フランキンセンス植物       Bostellia careteri

  
  フランキンセンスの木
 フランキンセンス樹脂
  樹脂

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<アロマセラピーでの使用>

フランキンセンスはアクネ、喘息、気管支炎、膀胱炎、皮膚炎、湿疹、免疫不全、リューマチなどの身体症状に幅広く使われてきました。

皮膚細胞の若返り作用があると言われ、小じわやしわ、傷痕のスキンケアに欠くことのできないオイルです。またストレッチマーク(肉割れ)にも、ネロリやラベンダー、ヘリクリサム、ローズなどととブレンドして用いられます。

呼吸器系はこのオイルでよい反応があり、精神面のトラブルを鎮めるのに効果的です。 不安や心配、フラストレーション、落ち込み、ヒステリー、不眠、パニック、ショック、ストレスを和らげるのに適しています。

この季節(クリスマスシーズン)、宗教、儀式、伝統的な場面でフランキンセンスを用いるよい機会があるでしょう。使ったことのない方も、この時期に試してみてください。


***古代のフランキンセンス***

・エジプトのアモン神殿には、紀元前1200年に、1年間で2,159のフランキンセンスの瓶が届けられたと記録が残っている。

・ヘロドトスは、バビロニアの神殿に毎年ベルの祝祭のときに1000タレント(重さの単位)のフランキンセンスが届けられたと記している。

・エジプトの有名なお香キフィ(Kyphi)には重要な成分としてフランキンセンスが使われ、太陽王ラーがよみの国を旅する日の入りに焚かれた。

・エジプトの女性がまぶたを縁取るのに使うコールと呼ばれる黒いパウダーは、炭化したフランキンセンスと他の芳香樹脂を混ぜて作られていた。

・古代を通じ、フランキンセンスは悪霊を払い、魂を浄化すると考えられていた。


Written by Jeoff Lyth
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