ブレスイーズ青山 アロマセラピー資料館 * ローズマリー *


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オイルのプロフィール「ローズマリー」  

   == Rosemary (学名 Rosmarinus officinalis) ==

ローズマリーは、シソ科に属する低木の常緑ハーブです。地中海沿岸全域に生育し、この地が起源と思われます。直立型のローズマリーは1.8メートルの高さまで伸びますが、Rosmarinus officinalis var.prostratusなど平伏する種類のものが岩石庭園やグラウンドカバーに植えられていることもあります。

香りを放つ細い葉は、表面は深緑色で、背面は白っぽくたくさんの毛に覆われています。春には小さく繊細な青白い花が咲き始め、夏いっぱい咲いています。

ローズマリーは様々な環境条件のもとで育つため、花の色や大きさ、そして抽出されるエッセンシャルオイルの香りも多様です。主に流通しているエッセンシャルオイルのケモタイプは、1.8シネオール、カンファー、ベルベノンの3種類です。
 ローズマリー
 
Copyright: c 1997-2006 Quinessence Aromatherapy Ltd
<歴史の中のローズマリー>

ローズマリーは遠い昔から料理、治療、魔術に活用されてきました。エジプトの第一王朝(紀元前3100年)時代の墓でローズマリーのブーケが発見されています。神に捧げる芳香として使われたものです。

ローズマリーを安定のシンボルと考えたローマ人にとって、ローズマリーは神聖なもので、神々や家の周りに飾られました。

長い間ローズマリーは思い出のシンボルとみなされていました。記憶力を高めると考えられただけでなく、恋人達はそれを互いを惹きつけるポペット(布人形)に使い、花嫁は結婚式でローズマリーの冠をつけたものでした。

お葬式では思い出の印として棺におかれたものでした。現在でも会葬者がローズマリーの小枝を身につけていることがあります。

<自分を守るために>

古代にはローズマリーは身を守るハーブとも考えられていました。中世のイギリスではベッドのそばにおけば悪夢を掃うとされ、また、盗難よけに家の周りに植えたり窓や玄関ドアの外にかけていました。

疫病のペストが大流行した時代には、ローズマリーの抗感染性が注目され、出歩くときに携帯されたほか、墓泥棒たちが使って感染を防いだ悪名高き「4人の盗賊の水薬」もローズマリーが含まれていました。ジュニパーベリーとならび、病室や病院での感染を防ぐためにローズマリーが焚かれました。

<分布>
ローズマリーのエッセンシャルオイルの最大の生産国はスペインとチュニジアですが、フランス、イタリア、モロッコ、セルビア、モンテネグロでも大量に生産されています。

多くの鑑定家はチュニジアのローズマリー精油が最高と評価しています。スペインのものも高品質ですが、価格を低く保つために純度を下げていることがあります。

<チュニジアでの収穫と抽出>

チュニジアでは4月と5月に、手摘みで収穫されます。多くの場合、エッセンシャルオイルはその場で原始的な抽出機を使って専門家が蒸留しますが、その量はいまだ各地での現代的な機械による生産を上回っています。

右の写真は、チュニジアの山岳地、Zaghouan地方でのローズマリーの収穫と蒸留の様子です。原料植物は収穫され、ロバで運ばれ、蒸留機に詰め込まれて蒸留されます。

農民は日が出ている間一日中働きますが、山の傾斜地での厳しい作業です。収穫と抽出が行われる丸一か月の間、彼らは山に住み、テントで寝ています。

写真では天気がよく見えますが、高地のため実際にはとても寒く、(Jeoff=筆者 が滞在中にもあったのですが)特に雨の日は厳しい寒さとなります。1か月もの間このように厳しい、ときに危険な状態で働き続けることは称賛に値します。筆者は滞在中、山風にあおられ、何度も滑り落ちそうになりました!

花と葉の上部を水蒸気蒸留すると、薄茶色か透明なオイルがとれます。オイルはフレッシュでわずかにスパイシーなハーブ調の香りがし、ウッディでバルサミックな風合いが残ります。ここで使われている蒸留機は原始的なものですが、生産されるオイルは現代的な蒸留機でつくられるものよりよいと思います。

<アロマセラピーでの利用>

ローズマリーは、筋肉、関節、体液循環、呼吸器への効果が認められているのにくわえ、関節炎、ぜんそく、気管支炎、カンジダ、カタル、セリュライト、かぜ、大腸炎、ふけ、抜け毛、頭痛、低血圧、記憶力低下、筋肉痛、神経疲労、神経痛、リウマチ、坐骨神経痛、副鼻腔炎など実に多くの症状を緩和するといわれています。
 収穫
 ローズマリー収穫
 植物を蒸留機につめこむ
 ローズマリー蒸留
 水蒸気蒸留
 ローズマリー水蒸気蒸留  (チュニジアでの
    収穫〜蒸留過程) 

Copyright: c 1997-2008 Quinessence Aromatherapy Ltd
昔からローズマリーは若返りにきくと信じられ、老化予防に使われていましたが、現在の研究で、実際に抗酸化、抗菌、老化予防の特性が示されています。このためローズマリーはスキンケアクリームやローションに、ますます使われるようになっています。

ローズマリーは体に対して元気を出させ活力を高める特性を持ちますが、感情面にも同じような効果があるといえます。それは太陽の光のように、自身の価値を見失ない気落ちしている人や無気力な人、逆境に立ち向かえない人に希望をもたらします。ローズマリーはほんとうに様々な用途に用いられる精油です。

ローズマリーはほとんどのエッセンシャルオイルと簡単にブレンドできますが、特にバジル、シダーアトラス、シダーバージニア、フランキンセンス、ゼラニウム、ラベンダー、ペパーミント、プチグレイン、パインニードル、セージ、サンダルウッド、そしてすべてのかんきつ系、スパイス系オイルとブレンドしやすいオイルです。

<安全な使用のために>

ローズマリーにはカンファーが含まれているため、癲癇、高血圧、妊娠中の使用は避けましょう。

☆名前の由来
Rosmarinusという名前は、古いラテン語で「海のしずく」を意味する rosmaris に由来するといわれています。


Written by Jeoff Lyth
Copyright: c 1997-2008 Quinessence Aromatherapy Ltd
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<ご注意>
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クインエッセンス・ニューズレターに記載される記事は教育・研究目的のものです。精油などのご使用については、自己管理に基づいて行われるようご注意ください。 


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